福祉制度

 福祉制度は、身体障害者のための制度、知的障害者のための制度、精神障害者のための制度と分かれてはいますが、脳損傷者はいずれだけに該当しないこと、いずれにも少しずつ該当することなどにより、もっとも本人に適した制度を利用できるように努めるべきです。

     障害者福祉制度一覧(堺市)

     福祉の手引き(大阪府)


手当,年金など
 特別障害者手当,障害児福祉手当,特別児童扶養手当,児童扶養手当,障害基礎年金(国民 年金)、障害厚生年金・障害手当金、障害者扶養共済制度、生活福祉資金などがあります。
 詳しくは、上記「障害者福祉制度一覧」「福祉の手引き」をご覧ください。

成年後見制度
 痴呆性の方、知的障害のある方、精神障害のある方など判断能力の不十分な方々は、財産 管理や身上監護(介護、施設への入退所などの生活について配慮すること)についての契 約や遺産分割などの法律行為を自分で行うことが困難であったり、悪徳商法などの被害に あうおそれがある。このような判断能力の不十分な方々を保護し支援するのが成年後見制 度です。
 脳損傷者は,若い人の場合は痴呆とは言えず,また18歳以上の受傷では知的障害とも言 えず,精神障害にもあたらないのですが,重度の場合には成年後見制度を利用した方がい い場合があります。弁護士さんや司法書士に相談できます。
 詳しくは、
 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html#a1

介護料支給制度
 介護料は、自動車事故が原因で、脳、脊髄または胸腹部臓器を損傷し、重度の後遺障害を 持つため、移動、食事、排泄など日常生活動作について常時または随時の介護が必要な状 態である方に支給されます。
 詳しくは、
 http://www.nasva.go.jp/sasaeru/taisyou.html

支援費制度(自立支援法):大阪の制度について
 詳しくは、上記「障害者福祉制度一覧」「福祉の手引き」をご覧ください。

交通事故後の脳外傷(高次脳機能障害)をモデルにした利用できる福祉制度について
 関連する制度ごとに、受傷から診断書を作るまでの期間、受けることが可能なサービス、留意点をまとめました。
 できるだけ早期から、機会を逃すことなく、使える制度はできるだけ利用しましよう。

介護保険制度
申請時期:受傷直後から可能。
サービス:介護保険のサービス。ヘルパー、デイサービス。福祉用具の貸与など。
留意点 :該当するのは脳卒中は40歳以上だが、外傷は65歳以上。
身体障害者手帳
申請時期:おおよそ3〜6ヶ月。
サービス:身体障害者用のサービス、ヘルパー、更生施設など。
留意点 :身体障害(肢体、平衡感覚、内部障害や、失語症など)がないと利用できない。
法に指定を受けている医師による意見書を市町村に提出する。
療育手帳
申請時期:6ヶ月以上。
サービス:原則として、教育とリハビリテーションに配慮した療育をうける。
留意点 :18歳未満の受傷を対象にする。市町村に相談する。
精神障害者保健福祉手帳
申請期間:6ヶ月以上、2年ごとの更新が必要である。
サービス:作業所、デイケアなど精神障害者用のサービス。
留意点 :等級基準は公的年金の基準と同じ程度である。
精神障害者用のサービスは、統合失調症を中心に組み立てられてきた。
精神の制度を使って高次脳専用のサービスをする試みが始まってきた。
障害年金
申請期間:1年6ヶ月。
サービス:年金が給付される。
留意点 :診断書の様式が指定されている。
診断書作成には患者の日常生活上の困難さを漏らさず記載する必要がある。家族の協力、努力がいる。
高次脳機能障害は、年金制度では精神の障害に分類され、年金診断書は精神障害用の診断書を使用する。(精神科医以外の医師も意見書を書くことが可能である)
労災制度
申請期間:症状固定診断後でおおむね2年前後。
サービス:症状固定以前は療養給付(医療費給付)、休業補償給付が受けられる。
症状固定以後は労災年金が受けられる。
また頭頸部外傷症候群等に対するアフターケア制度があり、月に1度程度の通院医療給付が可能。
留意点 :労災認定が必要(原則として業務中または通勤途中の事故であることが必要である)
高次脳機能障害の労災の障害等級基準があり、自動車保険の障害等級もこれに準ずる。 (ただし、実際に認定される等級が同じになるとは限らない。)
診断書作成には患者の日常生活上の困難さを漏らさず記載する必要がある。家族の協力、努力がいる。
自賠責保険
申請期間:症状固定診断後でおおむね2年前後。
サービス:保険金が受け取れる。
留意点 :診断書作成には患者の日常生活上の困難さを漏らさず記載する必要がある。家族の協力、努力がいる。
労災制度利用時には労災と症状固定日を同一にする。
自動車任意保険
申請期間:症状固定診断後、おおむね2年前後。
サービス:保険金が受け取れる。
留意点 :あらかじめ加入していることが前提となる。
※医療費に関しては、自動車事故でも健康保険や労災保険を使うことが可能である(患者は第三者行為災害届けなどの書類を提出する)。この場合、医療費は、健康保険や労災保険の保険者が払い、保険者はそれを自動車保険会社に請求する。
 現状では、医療費算定の関係から、任意保険の限度額が設定されている場合などに健康保険や労災保険を利用する方が患者に有利といえる。
 (総合リハ・33巻7号・655〜660・2005年7月 交通事故による高次脳機能障害のリハビリテーション、青木重陽、岡本隆嗣、生方克之、藤森 弘子、大橋正洋を参考にしました)

療護センター
 財団法人自動車事故対策機構は,自動車事故による脳損傷によって重度の後遺障害が残り、 治療と常時の介護を必要とする方のうち、一定の要件に該当する方を入院させ、社会復帰 の可能性を追求しながら適切な治療と看護を行う重度後遺障害者専門の療護センターを設 置し、運営している。
 全国に千葉,東北,岡山,中部の4ヶ所がある。

 http://www.nasva.go.jp/sasaeru/ryougo.html

健康保険
 自動車事故と健康保険:自動車事故など第三者の行為によって障害を負った場合も健康保険の保険診療が受けられます。そのときは健康保険の給付の請求手 続きとともに「第三者の行為による傷病届」を社会保険事務所等(健保組合)に必ず提出します。
 業務上・通勤途上以外で自動車事故など第三者の行為によって被保険者や被扶養者が傷害を受けた場合、健康保険で診療が受けられます。この場合、保険者 (社会保険事務所等、健保組合)は本来第三者(加害者)が支払うべき費用を保険給付で立て替えることになるため、その費用を第三者に請求(損害賠償請求 権の代位取得)します。そのため、被害者はだたちに「第三者の行為による傷病届」と「交通事故証明書」の写しを社会保険事務所(健保組合)に提出しま す。
 健康保険による第三者への賠償請求範囲は保険給付の範囲内だけですので、それ以外の費用については被害者は直接加害者に請求することになります。
 また、被保険者が第三者から損害賠償を受けた時は、その価額に相当する分につき健康保険の給付が停止されます。
 救急病院には大概、交通事故専門の事務員がいますので、入院後すぐによく話し合いましょう。

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