「ワンポイント介護」―介護の基本、体の動かし方から、入浴、排泄、口腔ケアまで、NHKが動画を使ってわかりやすく解説しています。しかも実技と解説を脳損傷者看護の第一人者
で、「あなたの声を聞きたい」以来熱烈なファンの多い紙屋克子教授が担当しているのもうれしいところです。
http://www.nhk.or.jp/fukushi/one_kaigo/
「新しい介護」―ついに、太田仁史、三好春樹先生監修による介護の本の決定版、究極の実践ケア、完全図解の「新しい介護」講談社 2003年が出ました(右)。
排泄、入浴、口腔ケアなど、本人の自立という方向に立って、ケアしながらのリハという視点を忘れずにまとめられています。
これ一冊で介護は万全、是非一冊備えておきたいといえばあまりに宣伝にすぎるでしょうか。
救急病院での入院、そしてリハビリ病院での入院がある程度経過すると、多くの人は自宅での介護が始まります。介護は一人でやりすぎると介護者の負担にもなり、
本人の自立心を損ねますし、そうかといって何もかもヘルパーさんに任せることはできません。その兼ね合いが難しいですね。
障害者、老人虐待が問題になっていますが、在宅介護によるストレスからついということも多いのではないでしょうか。
以下に米国介護者協会の10か条を載せました、参考にしてください。
●家族介護者(ケアギバー)のための10か条
- あなた自身の人生を大切にしましょう。あなたの愛する人の病気や障害を四六時中あなたの人生の中心においてはなりません。
- 自分に優しくすることを忘れないこと。自分を愛し、誇りを持ち、価値あるものと思うこと。あなたは厳しい仕事をしているのですから、あなたのため
だけの充実した時間を持ちましょう。
- うつ病の兆候があるなと思ったら、迷わず必要な専門家の援助を受けましょう。
- 援助の申し出は、遠慮せず受けしましょう。そして、してほしいことをはっきりと言いましょう。
- 愛する人の問題を学習しましょう。情報はあなたに力を与えます。
- 気遣うことと、自ら介護することは違います。さまざまな機器の利用を検討しましょう。そして愛する人の自立を促進しましょう。
- 自分の勘を信じましょう。進むべき方向は大きく間違わないでしょう。
- あなたが失ったものを深く悲しんだ後には、新しい夢を見ることが大切です。
- 介護者として、市民として、自らの権利を主張しましょう。
- 他の介護者からの手助けを受けましょう。一人ではない、ということを知ることは大きな力となるでしょう。
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●遷延性意識障害状態(植物状態)にある人のお世話
地域リハの第一人者で、「心にふれる」、「芯から支える」、「かばい手の思想」などの、高齢者、障害者への思いやりにあふれるエッセイでも知られる太田
仁史、茨城県立医療大学教授・同大学付属病院院長は、著書「介護予防 −なるな寝たきり、つくるな寝たきり−」荘道社 2000年(右)の中で、
植物状態(遷延性意識障害)のひとの介護について次のように述べています。
「わたし自身は文明の成熟した社会では包み込んで生きていく思想を模索すべきだとの考えをもっている。すなわち、どのような生命もかけがえのないもの、
(略)すなわちその存在の事実・状態の違いで差別化しないという人権思想の根幹であるという立場である。(略)それは健康でいられる者の義務であるし、
これを捨てると人間生活の仕組みは基本的に組み替えをしなければならなくなる。すなわち、ヒエラルキーのトップにいる者、強い者が生死を含めすべての権
限を持つ社会を容認することになる恐れがあるからである。したがって、以後の議論は当然植物状態の人をお世話するという立場から論じる。」
「植物状態あるいはそれに近い状態にある人をお世話するとき、何を基準においてお世話の善し悪しを判断するのか、きわめて難しい。わたしは二つのことを
その基準におくべきだと考えている。(略)
まず、人間らしさを示す、最低の線を体について表せば何かということである。それは一部の関節可動域の一定の保持と保清である。清潔は関節の可動域が
ある程度保たれていないと不可能である。(略)
- 口腔内をきれいにすることには顎の関節がある程度動かなければならない。(略)
- 首がまったく動かないと寝返りをさせにくく、床ずれや肺炎の原因になるし、シーツの交換も不便になる。
- 肩が体幹にくっついていて離れなくなると、脇の下が不潔になるし、衣服の着脱が困難になる。
- 指が屈曲変形すると指は開かず不潔になる。爪を切ることもできず、爪が手のひらに食い込むようになると手のひらの皮膚を傷つけてしまう。
- 股関節が開かないとオムツの交換が不便だし陰部は不潔になる。
- 股関節や膝が動かなくなると寝返りをさせにくいし、ベッドを上げることもできない。(略)これは日常のわずかな気遣いや、簡単な関節の動かし方を知っていれば介護の中で防ぐことができる。
- 介護者の無知によっていたずらに廃用症候状態をつくってしまうのは、これからは人権の問題になると考えられる。」
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■初めて車いすを使う人のために
- 寝ていると、骨のカルシュームが吸収されます。生命の危機を脱した後はできるだけ早期に座る、立つ練習をしてもらいましょう。
- 長く寝ていて、急に座るのは危険です。看護師さんと相談しながら、血圧低下に気をつけて段階的に座るようにします。
- 車いすは、まずは病院にあるものや、レンタルを検討します。購入は身障手帳があると補助が出ます。
- 座り方はPTさんに相談します。腰骨はできるだけまっすぐに、足底は、足置きにしっかりつくようにします。
- 意識がしっかりしない間は、自走用よりはリクライニング機能のある介護用が良いでしょう。
- 車いすの座面の上に、専用のクッションを敷いて座ります。
- 慣れない間はずり落ちるので気をつけましょう。ずり落ちないように股を止めるサポータも市販されています。
- 車いすも少し使っていると、食べ物、尿、汗などで結構汚れてきます。これは,シャワーのお湯と洗剤で洗って乾かしましょう。
- 尿の多い人は、座面やクッションが尿でぬれることがあります。そんな時は、ゴムの滑り止めを敷いて、その上に平おむつを敷いて座ると万一のときすぐに替えることができます。クッションも洗えるカバーをかけて使います。
- 平おむつはペットショップで売っているペット用が安価です。
- 車いすを止めておく時は必ずブレーキを忘れずに。ちょっとした坂、わずかの風で車いすは動き出します。車いすの死亡事故も報告されています。
- 自分の車いすを作る時には、PTさん、先輩(脊髄損傷の方)、業者などと良く相談して、自分の体にあったものを作ります。
- 車いすは、落ちないように、急な坂を上る時には、前向き、降りる時は、後ろ向きにおります。
- 階段を持ち上げてもらう時には、一番下にある、しっかりしたフレームを持ってもらいましょう。手すりなどを持つと抜けて落ちることがあります。
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