高次脳機能障害は、何科の医師が診る?

 まず最初に答えを申しましょう。
 医師であれば、あまり科は、関係ありません。

 当然、重度の頭部外傷の人は、まず救命救急の医師、あるいは脳外科の医師に命を助けられ、その後は、神経内科、あるいはリハビリテーション科の先生などにリハビリテーションでお世話になったと思います。
 経過もありますし、脳血管障害による脳損傷の方は、再発防止も重要ですから、ご自分の気に入った医師に診てもらう、というのは当然です。

 ただ、家に帰ってきて、職場に戻って、どうもおかしい。これは、高次脳機能障害ではないか、と思われた方は、さてどこに行けば良いのかと迷われると思います。
 いま診てもらっている先生に相談して、答えが返って来ると良いのですが、それがなかなか、まだまだです。
 もちろんそんな時のために、各府県には高次脳機能障害の相談にのってくれる、コーディネーターがいますので、まずはそちらに相談されると良いのだと思います。

 最初の問いに戻りますが、何科でも良いのです。要は、高次脳機能障害に詳しい医師に診てもらうことです。
 それに、いつも言うのですが、高次脳機能障害の人の通っている科はいろいろで、脳外科、リハビリテーション科、神経内科、精神科、内科、眼科、耳鼻科、泌尿器科などに通われています。どの科の医師も、脳損傷や、高次脳機能障害に詳しい人が良いに決まっています。
 特に大切なことは、脳外科医、精神科医は、それだけで高次脳機能障害を診ていただけるとは限りません。
 脳外科医は、脳腫瘍や、脳血管障害の診断、手術の専門家で、長期に経過する心理学的、精神医学的な症状に詳しいとは限りません。
 また、精神科医も、統合失調症、神経症、認知症は詳しくても、高次脳機能障害、とくに神経心理学的な症状、器質性精神障害の症状や薬の使い方をあまりご存じない方もおられます。

 高次脳機能障害、脳損傷の後遺症に強い医師を探しましょう。